これって虐待ですか【ネタバレ感想】躾と虐待は紙一重!

今回紹介する『これって虐待ですか』は、初めての子育てにストレスを募らせ息子に八つ当たりしては自己嫌悪に陥っている主人公・みずきが、周りの手を借りながら少しずつ成長していくお話です。

真面目で融通の利かないみずきは“完璧な母親”になろうと悪戦苦闘。もっと気楽に子育てを楽しめるようになるといいのですが、みずきは負のループから抜け出せるのでしょうか。

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『これって虐待ですか』はどんな作品?

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作品情報

漫画『これって虐待ですか』は、ブロガーとしても活躍するあさのゆきこ先生が以前ブログに連載されていた「親になるのに向いてない」に加筆修正を加え電子書籍化したエッセイです。

完璧主義者の主人公が“完璧な母親”になろうと暗闇の中でもがいていく物語。

当時幼い子供を育てていたあさのゆきこ先生も相当感情移入されたそうで、同じように苦しんでいるお母さんたちに届いて欲しいとの思いを込めて執筆されたとの事。

この作品にはあさのゆきこ先生の想いが詰まっており、辛い出来事でもいつか必ず終わりが来ると希望が持てる作品となっています!

あらすじ

このお話の主人公は、初めての子育てに悪戦苦闘中のみずき

夫の恭一は子育てに協力的で、実家も近いみずきは夫や母を頼りながら慣れない育児に奮闘していました。

しかし睡眠不足や予定外の出来事が続いたみずきは、自分が“ポンコツ”だと感じるように。

楽しそうに子育てをしている他のママを見ては落ち込んでいたみずきですが、不調を隠しながらキラキラママを装っていました。

しかし、息子のレオがプレ入園をした頃、体調に異変が現れ始めます。

乗り物に乗る度に動機が治まらなくなったみずきは、レオに辛く当たるように。

妹の異変を感じ取った姉はすぐに心療内科を予約し、みずきは薬を服用し始めて…。

登場人物

  • 山内みずき

レオの子育てに奮闘中の元地方公務員。真面目な性格が災いし、誰にも頼らず全てを一人で抱え込もうとする。

  • 山内恭一

みずきの夫でレオの父。のんきな性格で、家事や育児にも協力的な頼れる男性。

  • 山内レオ

みずきと恭一の一人息子。楽観的な性格だが、繊細でストレスに弱い。

  • みずきの母

子を所有物ととらえる昭和の親。姉妹格差をつけ子育てをしてきたが、本人に自覚はない。

  • みずきの姉

しっかり者の性格のみずきの姉。妹の異変にいち早く気付いたが、以前は彼女自身も心療内科にかかっていた。

  • 打直巣(うつなおす)

みずきが通う心療内科の先生。患者の心に寄り添いよりよい治療法を模索している。

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『これって虐待ですか』を読んだ感想(ネタバレ注意)

完璧を目指して

主人公のみずきは生真面目な性格で、完璧な母親を目指している新米ママ。

かつては地方公務員をしており責任とやりがいのある仕事だったからこそ、言葉の通じない相手と四六時中接するのは耐えがたいストレスだったのではないでしょうか。

初めての子育ては誰しも分からない事だらけですし、少しずつ慣れていくもの。

とはいえみずきは周りと比べては“自分はポンコツ”だと落ち込んでおり、悪循環に嵌っているように見えました。

一歳半健診では問題なかったのに、もっと完璧を目指そうとする姿に心が痛みます。

夫の恭一や母は育児に協力的ですし、少しは周りに頼って欲しいと感じてしまいました!

体の不調

みずきが本格的に病み始めたのは、レオのプレ入園が決まった頃。

“レオのために”を口実に完璧を目指そうとしていましたが、完全に悪循環ですよね…。

完璧を目指すあまり子供の事がちゃんと見えていないですし、何が何でも目標を達成しようとする姿に恐怖を感じました!

やがて絶対に遅れられない乗り物に乗る行為で激しいストレスを感じるようになりますが、こうなると育児を楽しむどころではなくまるで罰ゲームですよね…。

みずきの姉が異変にいち早く気付き、八つ当たりされる方がレオにとってよほど可哀想だと論破してくれてスッキリしました!

せっかく心療内科にかかり始めたのに、それでも“ダメな子”だと言い放つ母にモヤモヤ…。

この母の呪いの言葉によって、みずきが完璧主義者になってしまったのかもしれませんね。

レオの異変

薬を飲み始めて一ヵ月経った頃、ようやく落ち着きを取り戻したみずき。

恭一は無理をしなくていいと言いますが、この気遣いが“ポンコツ”のレッテルを貼られているように感じ、みずきが自己嫌悪に陥る姿に胸が痛みました…。

また、他にママよりも明らかに恵まれていると感じたみずきが、より完璧な母親を目指そうとする姿にゾクゾク…。

躾と称してレオにまで“完璧”を押し付ける姿が恐ろしくなりましたし、いくら何でもやり過ぎですよね!

やがてレオにまでストレスがかかり自傷行為に励む姿にいたたまれなくなりました…。

夫やレオの言動で我に返ったみずきはやっと自分が“やり過ぎ”だったと気付きますが、これで気楽な育児ができるのでしょうか?

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考察『これって虐待ですか』の最終回結末について

最終的に、みずきは鬱を脱し気楽な子育てができるようになると思います!

初めての子育ては誰にとっても予測できない事ばかりで、みずきのように真面目な人ほど悪循環に陥ってしまうのではないでしょうか。

とはいえみずきはレオを愛しているのは間違いありませんし、いずれ大切な我が子に負担をかけていた事に気付き考えを改めると思います。

母親にとって子供が笑顔でいるのが一番ですし、完璧な母親を目指すのではなく母子共に幸せだと思えるような日常を送れるようになると願いたいです!

『これって虐待ですか』の見どころ

モモジロウ
この作品の一番の見どころは、誰にでもあり得る負のループ!

みずきのように真面目な人ほど自分を追い込みがちだと思いますが、言葉の通じない相手と四六時中過ごすのは拷問以外の何物でもありません。

子供がもっと大きくなれば子育ても楽になるのでしょうけど、みずきの場合は子供のために完璧な母親を目指そうとして悪循環に嵌っているように感じました。

みずきがどうやってこの悪循環から抜け出したのかが、お話の一番の注目ポイントとなっています!

まとめ

『これって虐待ですか』について紹介しました。

完璧な母親を目指すあまり、一人息子に辛く当たっていたみずき。

やがて子供の笑顔を守る事が一番だと気付いたみずきは、周囲に頼りながら育児を楽しめるようになります。

モモジロウ

上手くいかない子育てに悩んでいる方にこそ、ぜひ読んでいただきたい一冊です!

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